プラス思考でなくてもいいんです


芳村思風一語一会 vol.3134
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プラス思考でなくてもいいんです
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長所半分、短所半分。
何度も聞いていただいた言葉です。

多くの方がこの言葉を聞いて「楽になれました」と話してくれます。
人間には長所もあれば短所もあることは、わかっていることなのに、なぜこの言葉に反応するのでしょうか。

頭で理解するのではなく、言葉の意味や根拠が腑に落ちたとき、
自信を持って行動することができるようになります。

小さいころから「短所をなくせ」と言われ
「短所は、自分の悪いところ」という意識が植えつけられています。

「短所がある自分 = ダメな人間」となるのです。

どんな人間でも長所と短所が、必ず半分ずつある不完全な存在です。
短所がない人はいません。
完璧な人間はいません。

どんな素晴らしい人間でも長くつき合えば、必ず気に入らない所が半分でてきます。
長所も短所もつきあう人間によっても変わります。
光には影、善には悪、表には裏というように、どんなことでもふたつの側面があります。
宇宙は、プラスとマイナスのエネルギーバランスでなりたっているからです。


「プラス思考」「ポジティブ・シンキング」という言葉が流行りました。
ここにも「マイナス思考はダメ」という意識が根底にあります。

マイナス思考もあって当然です。
マイナス思考も必要な時もあるのです。

「人間は不完全」ということを自覚することが人間らしく生きる第1歩です。
「短所をなくせ」というのは、人間に完全を求めているということです。
短所が人間らしい謙虚な心をつくるのです。
短所のない人間はいない、なくす必要はない、あって当然です。
短所はなければいけないのです。

短所がなくなれば神さま・仏さまになる。
神さま仏さまは、完璧です。
神さまにはなくて、人間にあるものは何か。

それは、肉体です。

肉体を持った人間だから、人間は自分の肉体がある場所からしか物は見えないし、肉体のある場所でしか考えることができません。
どんな考え方も見方も、肉体がある方向から見た「偏見」です。

人間らしい人間とは、短所があることを自覚して、できるだけそれを出さない努力をする人です。
短所を出さないように努力することが「愛」なのです。
自分の短所をさらけ出し、他人の長所でたすけてもらう。
短所は、他人を輝かせる「活人力」になるのです。
プラスだけでなく、マイナスも活かすことができるのです。

毎日起こる出来事も同じです。
楽しいこともあれば、嫌なこともあります。

どんなにいい改革をしても、それによって不利益になる人が半分いるのです。
すばらしいと言ってくれる人も半分いるけど、後の半分の人は面白くないと感じているのです。
反対したり、受け入れてくれない人が半分いることを頭に入れて、物事を進めていくことです。

中間点に立つのではなく、ヤジロベエのように右に左に揺れながら模索を続けていく必要があるのです。
人間は、不完全な存在なのだから、人間のやることも不完全です。
失敗してもいい、負けてもいい、逃げてもいいのです。

ただし、自分が決断して選んだことからは逃げてはいけません。
失敗もせず、最初からすべてを完璧にできることはありえないのです。

失敗が実力をつくります。
失敗が人間の深さをつくるのです。
どんな人間でも長所半分・短所半分であることを受け入れて、他人の短所を許すこと。
長所だけでなく、短所も欠点もすべて活かす。

不完全であることを自覚することで謙虚な心がつくられるのです。

不完全を生きる。矛盾を生きる。
これが人間らしい生き方なのです。

             





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