「時代の要請」
現代の時代を動かすキーワードは「統合」です。
この言葉は、21世紀に入ってから急に多用され、意識され始めました。
人類は有史以来ずっとあらゆるものを細分化してきた。
職業も分業化され、学問も細かく分けることによって研究を深め発展してきました。
今やすべてものが、もうこれ以上分けられないところまで達しています。
80年代になって、細かく分けてきたものを、元の有機的なつながりを持った状態に戻し、結合することによって、新しい動きをつくり、すべてを発展させ歴史を前進させようとする動きが始まりました。
それがベルリンの壁の崩壊であり、東西冷戦の終結であり、ユーロやアセアンの発生です。
この流れの中で人類は今、世界の平和を理念とし、目的にして歩み始めなければいけないのです。
これは明らかに人類史始めって以来の大転換であり、これから一千年の未来を支配する新しい歴史の始まりを意味する現象なのです。
近代の政党政治から脱政党政治へという流れが始まり、与野党が対立するだけでなく協力し合う方向へと動き出す。個人の意志を超えた力によって確実に人間は導かれている。
やがては政党の存在が無意味化し、将来は政党のない政治システムである「統合政治」が
実現されるはずです。
経済においても、ギリシャやイタリア・スペインにおける国家的な財政破綻が危惧され、この問題もグローバル化した世界においては、決してユーロ圏だけにまかせて傍観できない課題であり、全世界の国家が心をひとつにして協力して乗り越えていかなければならない時代に入っています。
競争して、勝ち負けを争う生き方は、やめなければいけません。
勝てば必然的に負けるものをつくります。そして負けたものの苦悩が勝ったものに不安をもたらすのがグローバル化した世界が意味する現実なのです。
「力を合わせれば共に成長できる、勝つことよりももっと素晴らしいことは力を合わせることである」という新しい価値観で世界は動きはじめています。
それを象徴するのが「統合」という現代の時代を動かすキーワードなのです。
尖閣諸島も北方領土も、領有権を争うのではなく、両国で共有し協力して開発して、国境を乗り越えて、やがては国境のない世界を実現することをめざさなければならないのです。
これからの人類は考え方や価値観や宗教の違う人と共に協力していきていける社会をつくることをめざす時代に入っています。それができなければ平和な世界は実現できないのです。
今こそ人類は、全人類こぞって「統合能力」を磨くことが、時代や歴史から強く要請されているのです。
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